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SS作成方法 このページではダンゲロスSS裏CINDERELLAに投稿するSSの作成方法・内容の指針を説明します。 作成するSSの「お題」大枠について 今回のゲームでは、参加キャラクターはスイスドロー形式で戦い、一試合でも多く勝利して賞金を得ることが大体の目的となります。 ゲームの世界観や戦闘ルールの詳細は基本設定・地形をそれぞれご確認ください。 作成するSSの「お題」対戦相手・舞台について SS裏CINDERELLA開催期間中、毎週日曜日21時に全試合のマッチングが発表されます。 その際に、各試合が行われる試合場も決定します。 試合場の詳細については地形をご確認ください。 作成するSSの「お題」試合のルールについて ゲーム内の試合に置ける勝利条件は 対戦相手の戦闘不能 対戦相手の殺害 対戦相手のギブアップ 対戦相手の戦闘領域からの離脱(地形参照) のいずれかを満たすことです。 プレイヤーは以上のルールを把握した上で自分のキャラクター、相手のキャラクター、試合場の設定を踏まえつつ、自分のキャラクターが試合に勝利するSSを書いて投稿してください。 作成するSSの内容について キャラクターの設定や能力の応用方法について、キャラクターの設定欄に書かれていないことであっても、後づけで設定を足すことは(それが相手キャラクターに関することであっても)可能です。もちろん無理な後づけは読者を納得させるだけの説得力を持たせる必要があるでしょうから、十分に注意しましょう。 勝ち残ったSSはその時点で今回のゲームにおける「正史」となり、そのSS内で登場した新たな設定なども公式のものとなります。そのため、2回戦以降は対戦相手のキャラクター説明だけでなく、相手が勝ち上がってきた過程のSSも読むように心がけましょう。 SSは試合のみを書く必要はありません。執筆時間内に書ける範囲で試合の前後を膨らませてもよいでしょう。 幕間SSについて また、試合のSSだけでなく、試合外での参加選手同士の交流や、自分の(場合によっては相手の)キャラクターの設定を深める幕間SS(補足SS)を作成するのもよいでしょう。 幕間SSはダンゲロス掲示板に立てた専用の幕間SSスレッドに書きこんでください。 幕間SSに投稿期限はありません。好きな時に書きこみましょう。 ただし、幕間SSについては特にwikiに反映などはされません。あくまで必ず読む必要はない世界観の掘り下げ程度に努めましょう。 SSが出来上がったら SS投稿期限内に作成したSSを投稿しましょう。投稿方法は次のページ【SS投稿方法】をご確認ください。
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*<プロローグ、試合名等がここに表示されます> 以降に書かれた文章が、公開されるSSと同じレイアウトになります。 このページはwikiに掲載されるSSページのサンプルです。投稿前の表示テスト等にご利用ください。 ―――――――――――――――<以下がSSページ本文となります>――――――――――――――― ルビ(振り仮名)を振りたい場合は、 振り仮名(ふりがな) を使用(しよう)してください。 SS作成やアイデア整理・相談に役立ちそうなソフト・他 にゃんずプロセッサ http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/160809/n1608091.html わかりやすい、構造的な文書を誰にでも作成できる。 リッチテキストベースのシンプルなアウトラインプロセッサ ---- Foliaro http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/110614/n1106141.html Webページの内容やブックマークまで階層管理できる“アウトラインプロセッサ+ブラウザ” ---- NanaTerry http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/130226/n1302261.html 自動保存機能なども備えた、リッチテキスト対応の階層型メモ帳ソフト ---- iEdit http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/101201/n1012011.html ツリー構造とダイアグラムを自由に扱える、柔軟性の高い“アイデアプロセッシング”支援ソフト ---- XMind 7 http //forest.watch.impress.co.jp/docs/news/732890.html 中心となるキーワードから放射状の樹形図としてキーワードを配置しながらアイデアを表現・発掘していく“マインドマップ”の作成ソフト。 マインドマップだけでなく、ツリー図・魚骨図・組織図といったさまざまなスタイルの図を作成することも可能。 ---- マインドマップ作成方法 https //imindmap.com/ja/how-to-mind-map/ ---- ChatWork http //forest.watch.impress.co.jp/library/software/chatwork/ ビジネス向けコミュニケーションサービス“ChatWork”のデスクトップ向けクライアント 無償で利用できるフリープランでは、14のグループチャット、1対1のビデオ会議、5GBのストレージが利用できる。 ---- テキストエディタの比較 http //wikiwiki.jp/texteditor/?%C8%E6%B3%D3
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Top 用語一覧 SS速報 SS速報 SSまとめサイトの一つ。 けいおんSSをメインに扱っており、訪問者も多く、大手まとめサイトの一つとして扱われている。 板の一つ、SS速報VIPとほぼ同じ名前ではあるが、こちらのほうが開設日時は先である。 以前は更新量が多いことで定評があったが、今では方針が変わってきているようで、一日一更新のペースを保っている。 とにかく様々なジャンルのSSをまとめており、一般的な長編からわずか数レスで終わる超短編まで幅広くまとめている。 また、普通のまとめサイトでは敬遠されがちな、男が登場したりレイプしたりなどの荒れやすいSSも臆することなくまとめており、姿勢がブレないことに定評がある。
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闇の剣士と祝福の風 一方に森、そして一方にコンクリート作りの施設を見下ろせる丘の一角に男は立っていた。 青いコートに輝く銀髪、そして絶世の美貌をもつ美男子である。 「殺し合いの褒章で望みを叶えるか…」 男は呟きながら支給品の入ったバッグを手に周囲を一瞥する、殺気も魔力も本能的な危険も感じない。 完全に周囲の安全を確かめてからバッグを地に下ろし青い天を見上げながる。 「…まるで蟲毒だな」 思うのは呪術の初歩の儀式”蟲毒“それは壷の中に入れた無数の毒蟲を最後の一匹まで喰らい殺し合わせて残った最後の一匹に呪力を持たせるという呪いに用いる儀式である。 この殺人ゲームはそれを思わせる歪み狂った遊戯であったが男は冷たく残忍、そして何より美しい微笑を浮かべる。 「まあ、構わんか……六課の者共との馴れ合いよりはよほど有意義だ」 彼にとって下等な人間どもを殺してある程度望むが叶うなら何も問題は無いのだ。 男の名はバージル、伝説の魔剣士スパーダの息子にして闇に心を堕とした半魔の剣士である。 「さて、さっそく荷物を確認するとしよう」 バッグの中には水や食料などの最低限の物が入っていた、ある程度内容物を確認したバージルは肝心の得物を探る。 そして出てきたそれは正にバージルの望むべきものだった。 「ほう……随分とまあ運の良い」 手にしたそれは恐ろしく長大な日本刀、かつて最強のソルジャーが振るった刀であり、名を正宗という名刀中の名刀である。 バージルは鞘から抜き去ると、その刀身を眺めながら魔力を徐々に込めていく。 すると斬撃を横合いの森に一閃する、その魔力の斬撃の木々が何本も切り倒された。 「素晴らしい名刀だ、これならば存分に俺の技を使えるだろう」 心の底から満足そうな声を漏らして、妖しいまでの刀身に魅入られた。 「だがこれは少し長すぎるな、居合には使いにくいな。まあ良い、さて他には何が入っているのか。せめて魔法行使に役立つデバイスであれば……」 バージルは鞘に収めた正宗を腰に下げて、バッグの中の残りの支給品を確認する。 そして取り出されたのは眠っている人間の女性だった。 「……なんだこれは?」 それは長く美しい銀色の髪を持ち、黒いアンダーウェアのような服を着た女性。 身体は豊かな起伏を誇り、抜群のプロポーションを見せ付けている。安らかな寝顔も気品を感じる美貌である。 だがバージルは即座にその女性が人間でないと悟った、何故ならばその女性は彼の知るモノと同じ気配を持っていたからだ。 「この気配……あの融合機と同じ。こいつもユニゾンデバイスなのか?」 それは彼が仮の巣として身を置く機動六課、その部隊長である八神はやての融合機リィンフォースⅡと同じ気配。 バージルはともかく、その女性を起こす事にした。 「おい、起きろ」 肩を掴んで身体を揺さぶる、ついでにその豊満な胸も大いに揺れたが気にはしない。 女性はその刺激に“う~ん”と可愛い声をあげて目を覚ました。 「起きたか?」 「んぅ…ここは?……いったい私は…」 「詳しい場所は分からん…あえて言うならゲーム会場か。俺はバージル、お前は誰だ?」 「私……私の名前は…………リインフォース」 それはかつてはやてと共にあった悲しき融合機。涙と共に天に還ったユニゾンデバイス、リインフォースⅠ。 △ 「なるほど、では主はやては今でもお元気にしているのだな?」 「まあな」 「そうか…それは良かった…」 眼を覚ましたリインフォースはバージルと互いの知る情報を交換し合った。 と言ってもリインフォースは10年前に消えた存在であるため、自身の現状とユニゾンデバイスとしての機能以外に教える事は無かった。 逆にリインフォースはバージルから教えられたはやての現状に嬉しそうに笑みを零す。 だがバージルはまるで極上の獲物を見つけた肉食獣のような鋭く妖しい眼光でリインフォースを見つめる。 「ところでリインフォースと言ったか。貴様のマスターはまだ八神に設定されているか?」 「いや、どうやら蘇った代償にマスター認証は初期化されているようだ」 「そうか……ならば変更だ」 その言葉と共にバージルの手がリインフォースに伸び、その細く美しい首を締め上げた。 「くはあっ! なっ、何をする…」 「貴様がデバイスならば新たな主人の名を刻んでやらねばな」 バージルの手から魔力で編んだプログラムが流れ込み、リインフォースの体内を蹂躙する。 機動六課で魔法術式やデバイスの操作を修得しているバージルにとって、融合機という特殊なタイプといえど唯のデバイスであるリインフォースのプログラムを修正するなど簡単な事だった。 リインフォースの所有者設定は瞬く間にバージルのそれへと変えられえていく。 そして全てが終わり、バージルの手から解放されたリインフォースは膝を突き咳き込む。 「げほっ! げほっ!」 「これで貴様は俺の所有物だ、髪の毛1本から爪の先まで全てな。せいぜいこの殺人遊戯の役に立て」 「なっ! お前はこの狂ったゲームに乗るというのか!?」 「ああ、別に人間共を庇いたてる必要などないからな」 「なんだと……本気で言っているのか?」 「無論だ」 「悪魔め…」 リインフォースのその言葉にバージルは不気味な、それでいて怖気を奮うほどに美しい笑みを見せて笑う。 「その通り、よく知っているな。俺は悪魔だ」 闇の剣士はこうして祝福の風を従えた、これが彼にとって幸運か不幸かはまだ分からない。 【一日目 現時刻AM2:10】 【現在位置:D0 アヴァロン近く】 〔参戦時間軸〕 Strikers May Cry六話から七話の間くらい 〔状態〕健康 魔力量や身体能力は抑えられているが技は微塵の陰りもない 悪魔の生命力は健在かも 魔人化できるかはまだ不明 〔装備〕正宗 @魔法少女リリカルなのは Strikers片翼の天使 〔道具〕リインフォース(あくまでもバージルはモノ扱いしているので)@A‘sアニメ本編 〔思考・状況〕 1 目に付いた参加者は一人の例外なく殺す、もしくは利用する。 2 周辺を警戒しつつ索敵、現在のところは様子見であまり派手に動く気はない。 3 名簿の確認はしていない、っていうか興味ない。 〔備考〕 リィンフォースはマスター認証をバージルの奪われつつも彼に殺しをさせないようにしたいと考えている。 かつての使用者侵食などのバグは解消済み、またバージルとの融合は可能だがかつて蒐集した技が使えるかは不明。 014 本編投下順 016
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魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第九話「その日、機動六課(後編)」 俺は最高速度で鉄槌の下へ向かった、奴の強さは戦わずとも知れている、せっかくの獲物を先に倒されては意味が無い、しかしそんな考えは杞憂に終わる。 「バージル…リィンが、リィンが!…」 デバイスは砕かれ融合機は倒れ、鉄槌が敗れていた、少なくとも命に別状は無いようだ、俺は医療班に念話を入れて敵の反応のする方向を見定める。 「お前はここで医療班を待て、俺は敵を追う」 高速で撤退する高い魔力反応をサーチし即座に連続転移の準備に入る、この距離と敵の速度ならば仔細ない。 「すまねえ旦那…あたしがもっとしっかりしてれば…」 「気にするなアギト、お前はよくやった」 手に乗るほど小さな少女、融合型デバイスであるアギト、そして彼女を抱えて飛行する男、ゼスト・グランガイツ、スカリエッティの技術で蘇り故あって地上本部に乗り込もうとした元管理局の魔道騎士であった。 「む…あれは」 そんな二人の前に青いコートを着た銀髪の男が待っていた。 「待ちくたびれたぞ」 「何も感じなかった…魔力を隠蔽する技、大したものだな、管理局員か?」 「そんな事はどうでもいい」 「何?」 青いコートのバリアジャケットを着た男、バージルは手にした白銀の剣を突きつける。 「さあ、全力で戦え」 バージルは言い終わらぬうちに刃を振るっていた。 「くう!」 「旦那ああ!」 空中でバージルの振るうフォースエッジ・フェイクを槍型デバイスで受け苦悶の顔を見せるゼストに火炎弾の支援をしながらアギトが叫ぶ。 しかしアギトの火炎弾は周囲に高速展開した幻影剣に相殺され爆ぜ飛ぶ。 「はあああ!!」 ゼストは槍の後部、石突き部分からカートリッジを排出し魔力付加を強めた刃でバージルの剣を空中へ弾き飛ばす。 「貰ったあああ!」 勝利を確信したゼストは最高速度でバージルの心臓めがけ刺突を入れる、非殺傷設定でもこの一撃ならば確実に意識を断てる、例え障壁を張ろうと打ち破る自信があった。 「さすがだな…鉄槌を倒しただけある…」 窮地の筈のバージルは不敵に笑みを見せその頬を歪めた、有利な筈のゼストは背筋に寒気を感じる。 次の瞬間、耳障りな高い金属音と共にゼストの槍は、魔を喰らう妖刀“閻魔刀”の刃にその侵攻を阻まれていた。 「まさか閻魔刀を抜かされるとはな」 「俺に全力で戦えと言ったのだ、貴様も全力で来い!」 「ふっ」 「何がおかしい?青き騎士よ」 「いやなに、同じ土俵に立ったつもりの貴様がおかしくてな…」 カートリッジを使ったゼストの槍と鍔競りながらバージルは未だ不敵な笑みを崩さずに言った。 「旦那ああ!!後ろだ!」 離れた場所で支援の為に火炎弾を形成をしていたアギトが叫ぶ、その時ゼストの背後から上空へ飛ばされた筈のバージルの剣が回転しながら迫ってきた、敵に投げた剣の軌道を操る技“ラウンド・トリップ”である。 「くううう!!」 ゼストは即座に防御障壁を後方に展開しその刃を防ぐが前方の閻魔刀の圧力は増し、刃の挟み撃ちがゼストの命を刈らんと迫る。 「アギトオオオ!俺ごと撃て!」 「な…でも旦那!」 「構うな!」 「…わかった!」 アギトは形成した巨大な火炎弾を5つ、鍔競り合う二人へと放つ…爆炎と煙が上がり視界を満たす。 「くっ…」 「大丈夫か旦那!」 煙の中から姿を現すゼストにアギトは安堵の笑顔を見せる。 「やったんだな、へっへ~ん、見たかこの烈火の剣精アギト様の力!あんなキレた奴なんか楽勝だぜ」 「いや、まだ終わっていないぞアギト…」 「えっ!旦那~何言って…」 アギトは言いかけた言葉を飲み込んだ、目の前には姿を消していた青いコートの剣士が離れた場所から、両手に刃を携えてこちらを見ていた。 「う…嘘だろ…何で?」 アギトは自分の目を疑った、あの状況からあんな距離に移動するなんて“人間”ではありえないからだ。 「高速転移か…あの状況でやるとはな」 「何、あまりに遅い支援攻撃だったのでな」 ゼストの言葉に答えながら、バージルは右手に閻魔刀、左手に剣型デバイス、フォースエッジ・フェイクを構え、さらに自身の周囲に幻影剣を10本形成する。 「さあ、どうした…もっと見せてみろ貴様らの力を」 「紫電一閃!」 透る声と共に横薙ぎに振るわれる炎の魔剣により、刃のように反り返る鋭い前腕を持つ蜘蛛型悪魔“アルケニー”が両断され塵となって滅んでいく。 魔剣を振るうは烈火の二つ名を持つライトニング副隊長シグナム、彼女の頭上ではスターズ隊長、高町なのはが砲撃と誘導弾で遠距離の悪魔とガジェットを倒していく。 「大丈夫かなのは!?」 「はい!」 デバイスを受けとった六課隊長陣はシグナムとなのはが地上敵戦力の、フェイトが敵航空戦力の迎撃に出撃し、はやては後方指揮の建て直しに奔走していた。 「通信が通りにくいな…ロングアーチ!こちらライトニング02だヴィータとバージルは無事なのか!?」 鎌を持った傲慢の名の低級悪魔“ヘル・プライド”を返す刃で次々と斬り伏せながら六課通信主任シャーリーに通信を入れる。 「こちらロングアーチ!…ヴィータ副長は…未確認の敵戦力に撃破されました…敵はバージルさんが今追ってます!」 「ヴィータが敗れただと…」 シグナムと永き時を共に戦ってきた鉄槌の騎士ヴィータ…彼女の強さは並でない、しかもリィンと一緒に居たという事はユニゾンして敗れたという事だった。 「くっ…このままでは、バージルの救援に行けんではないか!」 シグナムとなのはが撃破した敵戦力は既に200体以上に上っていたが未だに掃討には遠く、二人の足元には排夾されたカートリッジが一面に散らばっていた。 「無事でいろよバージル…」 さらにシグナムとなのはの眼前には更に大鎌を構えた悪魔ヘル・ヴァンガードが数体出現して二人の足を釘付けるのだった。 バージルとゼストの戦いはその舞台を眼下の森へと移しながら激しさを増していた。 シグナムすら見た事のない閻魔刀とフォースエッジ・フェイクの二つの刃が織り成す白刃の二重奏に幻影剣の掃射を加えた攻撃は、歴戦の魔道騎士であるゼストの防御と命を容赦無く削っていく。 しかしバージルのバリアジャケットも所々が切り裂かれ鮮血がその青を際立たせていた、バージルの嵐のような猛攻を斬り返しながらゼストは確実に反撃の斬撃を刻み込んでいた。 森の中、バージルとゼストは苛烈な斬り結びの果てに一度距離をおき互いの血潮で濡れた刃を構えて睨み合っていた。 「旦那、こうなったら融合するしかねえよ!」 「これ以上、お前に負担をかけられん、…俺がまたフルドライブで落とす」 「そんな…旦那!これ以上の無理して危ないのは旦那の方じゃねえか」 息の荒くなったゼストにアギトが融合の提案をするが、にべも無く断られる。 バージルとゼスト、両者共に身体に刻み付けあった傷は互角、しかし人造魔道師として強化された代償に短命を背負うゼストに対し、悪魔の力を持つバージルが徐々に有利になりつつあった。 そんな中バージルは突然、閻魔刀を鞘に戻しフォースエッジ・フェイクを背中に掛けて構えを解いたのだ。 「…なんのつもりだ青き騎士よ?」 「3分やる、傷の回復と融合の相談でもしろ、今のままではつまらんのでな」 「な…こんの野郎舐めやがって!」 あろうことか死闘の休憩、彼にとってはもう融合せぬゼストは“唯の楽しい死合相手”でしかない…そして今彼の力を試すのに必要なのはそれ以上の強敵だった。 「大丈夫か?旦那」 「ああ」 アギトが懸命に治癒魔法を行使してゼストの身体に刻まれた傷を癒していく、ゼストは座って身体を休め自身も治癒魔法の補助を行う、バージルはそんな二人を腕を組んで見ている。 「ところで、青き騎士よ…お前は一体何故こんな戦いを望むのだ?」 「言っても意味の無いことだ、それに俺は貴様らの言う騎士ではない」 「…そうか」 場には沈黙が流れる、そんな三人の下に予期せぬ乱入者が現れた、上空から一つの影がバージル目掛けて落下する。 「オラアアア!!」 唸りを上げて回る脚部の回転刃を持つローラーブーツ“ジェット・エッジ”による踵落としを放つ戦闘機人、ナンバーズ9番ノーヴェであった。 バージルは組んだ腕をそのままに最低限の動作でノーヴェの蹴りを避け、地面に足をめり込ませたノーヴェの腹部に膝を入れて吹き飛ばす。 「かはあっ!」 ノーヴェはゼストらの目の前に転がり腹部を押さえて咳き込む、そんな彼女の周りに次々と他の戦闘機人が現れる。 「ああもう…まだ仕掛けるなって言ったじゃないすっか~」 「…命令無視」 「…姉さま大丈夫ですか」 宙に浮く盾“ライディングボード”に乗った11番ウェンディ、同じ顔を持つ双子8番オットーに12番ディードであった。 「うるせえ!黙らした方が楽だろうが…くっ痛え」 「まったく…我々の任務は彼を倒すことではないのだぞノーヴェ…それに先ほどの戦闘の負傷だってあるだろうが」 そんな4人にもう一人、銀髪に眼帯の小柄な少女、ナンバーズ5番チンクが近づきノーヴェに声をかける。 そして地下に潜り状況を見守る6番セインと距離をおき狙撃のチャージと後方指揮の為に離れた場所から状況を見つめる4番クアットロと10番ディエチ。 今フェイトを地上本部上空にて釘付けている3番トーレと7番セッテを除く地上本部と六課を強襲したナンバーズが全員その場に集まった。 「失礼しましたバージル殿、我々はナンバーズ、ドクター・スカリエッティの作り出した戦闘機人です」 「戦闘機人…この前、串刺した木偶人形どもの仲間か」 「…我々はあなたと戦いに来たのではありません」 チンクがそう言うと宙に映像が浮かび白衣の狂科学者ジェイル・スカリエッティがその顔をバージルの目の前に映し出した。 「いやあ、初めましてバージル君、君の話は娘達からよく聞いているよ“悪魔”のように強く冷酷だと…いや君にこの言い方は失礼かな?半魔の剣士殿」 「随分と俺の事を知っているようだな…やはり襲撃には内部からの情報流出があったか」 「おや…もう気づいているのかね?」 「当たり前だ、貴様らの襲撃は手際が良すぎだ、いかに雑魚ばかりの局員にAMFと悪魔を用いようともな」 「さすがだよ、しかし君についての情報は内部からのリークからではなく“別の”情報源があるのだよ…さて本題に入ろうか、この後に管理局の方々に大切な演説があるんでね…」 「俺に力を貸せとでも言うか?」 スカリエッティの話を切りバージルがその先を繋げる。 「ご明察!その通りだよ、私の技術なら君に更なる力を与えられる、損はさせないはずだがね」 「断る」 即答だった、静かだが一切の譲歩の感じられぬ強い意思を持った言葉でバージルは返した。 「ほう、君のような者が管理局に肩入れかね?どちら側でも変わらないと思うがねえ」 「違うな…」 「では何故だね?」 「決まっている、貴様が無能だからだ」 「……無能?…この私が?」 狂気の科学者ジェイル・スカリエッティ、狂っていると言われたとて敵味方共に天才と認められてきた彼にバージルは無能の烙印を押したのだ。 「その通りだ、随分と長い間研究とやらをしているようだが、あの程度の木偶人形しか作れぬならば無能極まる」 その言葉にスカリエッティは僅かに頬の肉を歪ませる。 「…そうかね交渉決裂か…それでは皆、後は頼んだよ」 スカリエッティがそう言うと映像は途切れ、同時にナンバーズが戦闘態勢に入り空気が張り詰めたものに変わる。 「ドクターからは無理やりでも連れて来いって言われてるんっすよ~」 「別に肉片だって構わねえってな」 ウェンディとノーヴェがそう言うや否や、チンクの固有技能(IS)ランブルデトネイターにより爆破効果を付加されたダガーナイフがバージルに降り注ぎ爆炎でその周囲を彩る。 「今だ!オットー・ウェンディ!一気に決めるぞ」 チンクの指揮が飛びウェンディは誘導弾をオットーは広域攻撃のエネルギーをチャージし晴れ上がった煙の中で防御障壁を展開していたバージルに射ち出した。 しかしその攻撃がバージルに命中することは無い、射出された次の瞬間に閻魔刀の鍔鳴りの音と共に発生した大量の空間斬により攻撃は空間ごと刻み落とされた、その数実に20以上。 「これだけの攻撃でこの魔力使用量か…デバイスの魔力処理能力もだいぶ馴染んできたな」 バージルは自分に向けて放たれた攻撃を一瞬で消し去りながら、まるで目の前のナンバーズを欠片も意識していないような言葉を静かに呟く。 「よそ見してんじゃねええ!」 雄叫びと共にノーヴェが空を駆ける道エアライナーにより空中を疾走しながら渾身の捻りを加えた回し蹴りを放つ、その威力は初見のものを超えるそれを内包しながらバージルの側頭部めがけ軌道を描く。 「早いな、しかし動きに無駄が多すぎる」 なんでもない風に感想を口にし、バージルは瞬時に装着したベオウルフ・フェイクの蹴りをノーヴェの蹴り足に合わせて打ち出す。 空中で火花を上げて軋む二人の脚部、ノーヴェの武装ジェットエッジは回転刃の速度とブースター加速を上げるが、逆にノーヴェの足が悲鳴を上げ始める。 「くうっ!固ええっ」 「その上、この程度の破壊力か…屑が」 そう言い放つと同時にバージルの脚部に絶望的なまでの魔力が込められ、火花を散らしノーヴェのジェットエッジに無数の亀裂が入り始める。 「ノーヴェ!くっ…ウェンディ私の攻撃に合わせろ!オットーは次弾までレイストームのエネルギーをチャージ!」 チンクが叫びダガーナイフとウェンディの誘導弾を再びバージルへとその照準を合わせ、正確に彼めがけ発射する。 しかしノーヴェの攻撃を涼しい顔で返しながらバージルは周囲に幻影剣を多数展開、この支援攻撃を打ち落とし、さらに攻撃準備に入っていたオットーに射出した。 「うわあっ!」 瞬時に張った防御障壁を打ち破られオットーが被弾、チンクとウェンディがオットーに目を奪われた刹那、期を伺っていたディードが高速移動でバージルの背後に回り双剣ツインブレイズを振りかざし、彼の背中に斬撃を打ち下ろそうとしていた。 「やっと来たか、やはり背後に回るとは芸のない…」 背中に感じた殺気と視線に奇襲の匂いを感じていたバージルは脚部に更に力を込めてノーヴェの足のジェットエッジを粉砕。 足ごとへしゃげたそれをノーヴェの身体ごと側方に蹴り飛ばすと瞬時に手甲を解除、背後へと向き直り即座に片手で抜いたフォースエッジ・フェイクにより頭上の双剣を防ぐ。 確信を持って行った奇襲が破れ、その上に芯まで凍るようなバージルの目を息のかかるような距離で見つめたディードは今まで感じたことのない感情“恐怖”にその身を震わせた。 「どうした?機械仕掛けの木偶でも恐怖を感じるのか?」 静かに嬲るように言葉を吐かれると同時にディードは腹部に冷たい異物を押し込められるような感覚を覚える。 「えっ…」 軋みを上げるディードの赤い双剣とバージルの白銀の刃の下で彼のもう一つの手が、閻魔刀の刃でディードの腹部を刺し貫いていた。 バージルは双剣を受ける手はそのままに腹部の閻魔刀を捻り上げディードの腹部の肉をおおいに抉った。 「あああああああっ!!!」 熱を持った激烈な痛みに普段はその表情を変えぬディードが涙と悲鳴を上げる。 「ノーヴェ!ディード!」 チンクはダガーナイフを構えながら動けなかった、先ほどの幻影剣での迎撃によりこの男が近接戦の最中でも遠距離攻撃を正確に射出すると知って攻撃の手が鈍っていた。 ウェンディも誘導弾とライディングボードの砲撃をチャージするが攻めに出れず顔を苦悶に歪める、遠方で狙撃の機会を伺っていたディエチも同じく近すぎる標的と姉妹に引き金を引ききれなかった。 「お前ら!どけっ!!」 アギトの治療を受けながら、今までナンバーズの奮戦を見ていたゼストが自身の槍型デバイスを構えバージルに向かって飛び掛らんと魔力を高めていた。 「しかし騎士ゼスト、今のあなたは傷ついている…ここは我らが…」 「今はそんな事を言っている場合ではないぞ、このままでは全員死ぬ、それに傷の事を言うならお前とて負傷しているのだろうが」 「…」 流れる己が血潮を省みずに戦おうとするゼストをチンクは止めるが、ゼストの気迫に押され口を閉ざす、現状で回せる戦力を惜しめばそれは死に繋がる事を彼女はよく理解していたからだ。 (全員聞け!これから騎士ゼストが敵の動きを止める、できたら全員の攻撃で一気に押し切るぞ!) チンクの念話が終わらぬうちにゼストは単騎で駆け出していた、その後ろからはチンク・オットー・ウェンディ・アギトが支援攻撃の準備に入り遠方のディエチもクアットロの照準補佐によりスコープの狙いを定める。 「フルドライブで行くぞ!!!」 ゼストの声にデバイスが応えカートリッジが空を舞う、彼の最強の魔力付加を加えた槍の穂先がバージルへと向けられた。 バージルは頭上の双剣を薙ぎ払い、ディードの腹部に埋まった閻魔刀の刃を横に引き裂きながら抜き去ると、瞬時に鞘に戻し両手足にベオウルフ・フェイクを再装着した。 振り返りながらディードを足元へと殴り倒し、視線をゼストへと向ける、彼の放たんとする攻撃が最高のものであるという予感が四肢の防具に過大なまでの魔力を込めさせる。 (しかし、この男…既に死期を目前にしているな…この戦いを終えればこの先まともに戦えまい) 至高の敵の短命を漠然と感じ、バージルの胸中に寂しさに似た念がよぎる、バージルはゼストの一撃に応えようと跳躍し、最高の威力を持つ蹴り技“流星脚”を放つ。 轟音を響かせ空中でぶつかり合う二人の暴虐たる一撃、両者は得物はおろか骨肉すら軋ませながら互いを滅ぼさんと魔力を高める。 そして最初に崩壊の音色を奏でたのはバージルのデバイス、ベオウルフ・フェイクであった。 ベオウルフ・フェイクは亀裂と圧壊の歪みをその身に刻みながら砕け散り、バージルはゼストの刃により後方へと吹き飛ばされる。 木々が砕けながら倒れ、大地が大きく抉られ、バージルの吹き飛ばされた跡に道を形作る。 「やはり強度的な問題は今後の課題か…実戦での使用は考えようだな」 バージルはデバイスの不具合を述べながら立ち上がる、同時に幻影剣と防御障壁を展開し追撃に備えた。 「今だっ!!!」 バージルが立ち上がり、その影を晒した瞬間チンク・ウェンディ・オットー・アギトの攻撃に加えて機を伺っていたディエチの砲撃がバージルへと降り注ぐ。 バージルは空間転移で回避に移ろうとしたが、脚部に妙な感触が走り転移しようとずれた空間の移送が止まる。 そこには足を掴み彼の動きを封じる地中から伸びた腕、物質潜行能力“ディープダイバー”により地に潜っていた機人6番セインの手があった。 閃光がバージルの身体を包みこみ、視界を覆う大きな土煙が上がる、ナンバーズは勝機を確信した。 「セイン大丈夫か?」 チンクが声を荒げて通信を入れる、離脱の余裕はあったと考えているが、一斉攻撃の寸前にバージルの動きを止めるという危険な役回りをこなした姉妹の安否が、勝利の余韻を冷ます。 「それはこいつの事か?」 土煙の中から静かで冷たい声が響く、そこにはボディスーツのあちこちを焦がしたセインの首を掴み上げるバージルが、その姿があった。 バージルもバリアジャケットの大部分を焦がし煙を上げて破損していたが、眼光に宿る覇気はいささかの衰えも無い。 攻撃の瞬間に展開していた幻影剣でチンクのダガーとウェンディの誘導弾を相殺しながら最大出力の防御障壁と地中より引きずり出したセインを盾にその身を守ったのだ。 それでもバージルの身体に刻まれた無数の傷が攻撃の苛烈さを表していたが、ナンバーズは身動き一つしないセインに目を奪われていた。 「返すぞ」 バージルはそう言うと手に掲げていたセインをボロキレのように超人的な膂力でチンクらの方へと投げ捨てる。 「あっ」 思わず声が漏れる、その怯みが命取りだと感じた時には遅すぎた、次の瞬間には空間転移により周囲を覆う幻影剣の刃、バージルの手は鞘にその身を隠した閻魔刀の柄にかかり、抜刀の体制を取っていた。 ナンバーズに向けて幻影剣がその刃を鮮血で潤さんと飛来する、そしてバージルは高速での移動による刃の一閃“疾走居合い”を放つ。 ナンバーズは防御障壁を展開するが防ぎきれず数多の裂傷をその身に刻む、特に遠距離支援砲撃が厄介なディエチには念入りにその武装へと幻影剣の刃が踊る。 バージルの居合いが放つ絶命必至の閻魔刀の刃を、遂にアギトと融合をしたゼストが己の槍にて受け止める、甲高い金属音を立てて噛み合う刃が火花を散らし二人の男を照らす。 「やっと融合を見せるか」 「これ以上、出し惜しみはできんからな」 血の海の上で再び織り成される剣舞、二人の男は笑みさえ浮かべて斬り結ぶ、しかし幾重にも火花を散らし舞い踊る血刃の軌跡も終局を迎える。 倒れ伏したのはゼスト、胴を十字に切り裂かれ口腔よりどす黒い血潮を吐き出し、地に身体を落とした。 いくら融合を果たしたオーバーSランクの魔道騎士とて無理な調整を受けた身体での長時間の戦闘は容赦なく彼の生命を削り、なによりナンバーズを気遣いフルドライブを使った事が大きく負担となっていた。 「惜しいな…貴様とは万全で斬り合いたかったぞ」 バージルは倒れたゼストにあえて止めを刺さずに見下ろす。 「ごふっ…今が俺のベストだ…」 「旦那っ旦那ああ!!」 斬撃の直前で融合を解除され負傷を免れたアギトが、何とか一命を取り留めたゼストに駆け寄って傷の治療を始めていた。 「…手加減したのか?」 「融合を解除するのが見えて気が萎えただけだ…」 「そうか…俺の名はゼスト、お前の名を教えてくれんか?」 「バージル」 ほんの短い時間ゼストと言葉を交わしたバージルは彼とアギトを捨て置き、幻影剣の掃射に傷つき倒れたナンバーズへと足を進めた。 「さてと、まだ抵抗する力は残っているんだろうな…」 ディエチの狙撃砲は全壊、ノーヴェはジェットエッジごと足を潰され、ディードは切り裂かれた腹部から腸をぶち撒けて気絶、セインは死んでいないものの能力の行使は不可能、ゼストも倒れ戦線復帰は絶望的。 ナンバーズに残った残存戦力はチンク・オットー・ウェンディにディエチの傍で遠距離からこちらを伺うクアットロのみ、接近戦に持ち込まれれば刹那で終わる状況。 (チンクちゃ~ん、とってもいい情報がきたわよ~) チンクにクアットロが念話にて軽口を叩く、恐らくは下手を打っても敵に一番近いチンクらを囮にすれば自身は撤退可能という計算の為だろうが、その非情は他の姉妹に知る由も無い。 チンクがクアットロと念話をするのをバージルは黙って見ていた、ナンバーズは連携の取れた戦術を得意とする集団と判断し、あえて反撃をさせ軽く腕試しの相手にしようかと考えたのだ。 そのバージルの周囲に転移魔法陣が現れ、大量の低級悪魔ヘル・プライドが召喚される。 「さ~ルーテシアお嬢様~早く転送してください~」 「…分かった」 クアットロの指示を受け、たった今救援に駆けつけた幼い召喚師の少女、ルーテシアが自分のデバイス“アスクレピオス”により悪魔の召喚とナンバーズ・ゼストらの転送を平行して行う。 「“逃げ”だと…つまらんマネを!」 尻尾を巻いて逃げる敵をみすみす逃がすバージルではない、目の前の低級悪魔をフォースエッジ・フェイクで切り裂きながら目の前のチンクらに迫る。 ウェンディはノーヴェとセインを、オットーはディードを抱えルーテシアの転移魔法陣の上で離脱の準備をするがバージルは悪魔を倒しながら迫ってくる、このままでは転移の前にチンクらが倒れるのは必定であった。 「ウェンディ…ノーヴェを頼む、姉は少し行ってくる」 そう言うとダガーナイフを構えたチンクは一人転移魔法陣から進み出て、彼女らに迫るバージルを見据えた。 「えっ!ちょっチンク姉なにするんすか?」 「チンク姉え!」 ウェンディと彼女に支えられたノーヴェが叫ぶが、次の瞬間にはチンクはバージルにダガーを投げつけ爆砕するその刃で交戦を始めていた。 「これ以上、妹たちには近づかせない…悪魔の剣士殿」 「“悪魔”か、それを知っていて貴様一人か?木偶人形」 「勝てずとも…姉ならば妹の道を作ってあげたいのですよ…」 持てる全てのダガーと爆破付加能力を行使して、命がけの玉砕へと銀髪隻眼の小さな影が走る。 しかし悪魔は無慈悲にもチンクの投げつける刃を爆破の効果範囲外にて全て幻影剣で爆ぜ落とし、手にした銀色の凶刃を彼女の小さな身体に突き刺した… 「チンク姉えええええ!!」 ノーヴェの絶叫が木霊する中、転移魔法陣は術式構築を完了しバージルとチンクを残して他の全員を一瞬で追尾不能な地点まで転移させた。 「がはあっ!」 右胸にフォースエッジ・フェイクの刃を突き刺されたチンクが鮮血の華を吐き散らす、心臓を狙った筈の一撃が逸らされ、驚愕を覚えるバージルの剣を持つ手をチンクが掴む。 「ごほっ…この距離なら外さない…」 鮮やかな紅で口を汚したチンクが、その手に最後のダガーを持ち最大の爆破能力を行おうとISの発動兆候を見せる。 しかしその瞬間に走った腹部の衝撃と脳に走る電流に小さく痙攣し彼女は意識を闇に落とし、光を映す隻眼を閉じた。 「自爆か…少々危なかったな」 バージルはダガーが目の前で爆発する前にチンクの腹部から腰椎へと閻魔刀を刺し入れ、魔力を流して脊椎越しに直接脳を揺さぶり意識を奪ったのだった。 「しかし、これで俺の新たな戦術はおよそ完成か…殺す必要もないな」 彼はそう呟くとチンクの肺腑に埋まったフォースエッジ・フェイクと腹部の閻魔刀を引き抜き、傷だらけの小さな身体に治療を行いながら、未だ混乱の収まらぬ本局へと通信を入れた。 「地上本部管制、こちら機動六課所属嘱託魔道師バージル・ギルバ、本部襲撃の未確認敵戦力の一人を確保した至急医療班を送れ…」 続く。 前へ 目次へ 次へ
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*<プロローグ、試合名等がここに表示されます> 以降に書かれた文章が、公開されるSSと同じレイアウトになります。 このページはwikiに掲載されるSSページのサンプルです。投稿前の表示テスト等にご利用ください。 ―――――――――――――――<以下がSSページ本文となります>――――――――――――――― ルビ(振り仮名)を振りたい場合は、 振り仮名(ふりがな) を使用(しよう)してください。 SS作成やアイデア整理・相談に役立ちそうなソフト・他 にゃんずプロセッサ http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/160809/n1608091.html わかりやすい、構造的な文書を誰にでも作成できる。 リッチテキストベースのシンプルなアウトラインプロセッサ ---- Foliaro http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/110614/n1106141.html Webページの内容やブックマークまで階層管理できる“アウトラインプロセッサ+ブラウザ” ---- NanaTerry http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/130226/n1302261.html 自動保存機能なども備えた、リッチテキスト対応の階層型メモ帳ソフト ---- iEdit http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/101201/n1012011.html ツリー構造とダイアグラムを自由に扱える、柔軟性の高い“アイデアプロセッシング”支援ソフト ---- XMind 7 http //forest.watch.impress.co.jp/docs/news/732890.html 中心となるキーワードから放射状の樹形図としてキーワードを配置しながらアイデアを表現・発掘していく“マインドマップ”の作成ソフト。 マインドマップだけでなく、ツリー図・魚骨図・組織図といったさまざまなスタイルの図を作成することも可能。 ---- マインドマップ作成方法 https //imindmap.com/ja/how-to-mind-map/ ---- ChatWork http //forest.watch.impress.co.jp/library/software/chatwork/ ビジネス向けコミュニケーションサービス“ChatWork”のデスクトップ向けクライアント 無償で利用できるフリープランでは、14のグループチャット、1対1のビデオ会議、5GBのストレージが利用できる。 ---- テキストエディタの比較 http //wikiwiki.jp/texteditor/?%C8%E6%B3%D3
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魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 番外編 Bad End 回避シナリオ。 超蛇足的夢オチEND。 彼が目を覚まして最初に感じたのは自分の顔が濡れていた事だった。どうやら寝ている間に泣いていたらしい。 彼が隣を見ると昨日は隣で寝ていた筈の彼女の姿が無かった。 確か昨日は彼の部屋に泊まりに来た筈だったが今は影も形も無い。 枕元に散らばった彼女の桜色の長く美しい髪が確かに彼女の存在がここにあった事を教えていが、先ほどの悪夢の残留がその認識を阻害する。 その時寝室のドアが開かれる。 現われたのはエプロンを掛け、昨晩のままに解かれてストレートに下ろされた桜色の髪を揺らした最愛の烈火の将の姿だった。 「もう朝食だぞバージル」 シグナムが声を掛けるがバージルは唖然としているような顔で何も言わない。 「どうした? 今日は休みだからといって、まだ寝ボケているのか?」 「………」 だがバージルはシグナムのそんな言葉にも無反応で彼女の顔を食い入るように見つめ続ける。 「何だ? もしかして何か顔に付いているのか?」 そのシグナムの問いにも答えず、バージルはおもむろに立ち上がるとシグナムに近づいていった。 「どうしたバー…ひゃっ!」 シグナムが言葉を言い切る前にバージルは彼女の身体を抱き寄せた。 「どうした? いきなり…」 「………」 バージルは何も言わずにシグナムの身体を力の限り抱きしめる。 「ちょっ…苦しい…本当にどうしたんだ?」 服越しに伝わる彼女の身体の温もりと柔らかい感触が、鼻腔を満たす彼女の髪の甘い香りが、耳に響く彼女の澄んだ声が、やっとこの場所が悪夢でないとバージルに教えた。 バージルのその様子にシグナムは心配そうに口を開いた。 「何か悪い夢でも見たのか?」 「……ああ」 「そうか…」 シグナムはバージルの言葉を聞くとその背に手を回して優しく抱き返しながら彼の耳元で囁いた。 「大丈夫だ……私はここにいるから」 そのシグナムの優しい言葉に心を落ち着けたバージルはやっと平静を取り戻して言葉を返した。 「……すまんな…みっともない所を見せて」 「もうすぐ夫婦になるのだ、気にするな」 「シグナム~味噌汁の鍋に火かかったままだったぞ~。バージルの旦那起こすのにどんだけ…」 その二人の下にフワフワと宙に浮かんで融合型デバイスの少女アギトがやって来る、そしてアギトは寝室で抱き合っていたバージルとシグナムを見て言葉を失って固まった。 「アギト、これはだな…」 「お、お邪魔しました~!! 2時間ぐらい外行ってるから、ごゆっくりどうぞ!!!」 アギトはそう言うと凄まじい速さで部屋を後にした。 「なんだか…勘違いさせてしまったな…」 「だな」 「それでは朝食にするか」 「ああ。二人きりというのも悪くは無い」 二人はそう言いながら食卓へと向かった。 こうして今日も平和に世界は回る。 Happy End 前へ 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 最終話「Dance With Devil」 狂気に溺れた科学者と悪魔にその身を堕とした背徳の司祭の邪悪な野望は誇り高き魂を持つ半魔の双生児の力により終焉を迎えた。 スカリエッティの逮捕により機動六課もその役目を終え、その日六課は部隊の解散を迎えることとなる。 はやてによる六課解散の挨拶が終わり、フォワード一同は六課隊舎を眺めながら短くも激しかった記憶を思い起こしていた。 そして隊舎を見つめる4人の中からスバルがおもむろに口を開く。 「六課ももう終わりか~なんだか寂しいね~ティア」 「子供みたいなこと言ってんじゃないわよ」 「う~またひどいこと言ってる~ティアのイジワル~」 「でもまあ…確かに少し寂しいわね。そういえば六課が解散したらスバル、あんたは災害救助の方に行くんだっけ?」 「うん。ティアはフェイトさんの執務官補佐だよね」 六課解散に伴いスバルは以前から入隊を考えていた特別救助隊への入隊が決まり、ティアナはフェイトの下で執務官補佐に就く事となっていた。 「ええ。ところでエリオとキャロはどうするのよ?」 「えっと、僕達はキャロのいた自然保護隊に…」 「却下だ」 エリオがティアナの質問に答えようとした時、その背後に銀髪の影が現れてエリオの返事に割って入る。 「って、ええ!! バージルさん!?」 振り返った4人の背後には六課制服に身を包んだバージルが立っていた。 「えっと…その、却下って一体?」 エリオは自分の希望配属先について突然否定され恐る恐るバージルに聞き返した。 バージルはそのエリオに少し厳しい顔を見せると、エリオの隣にいたキャロにも視線を向けて口を開いた。 「以前聞いたのだが、テスタロッサはお前達の母代わりだそうだな?」 「…はい」 「そうです」 バージルはふと視線をエリオとキャロから移す。 その視線はすこし離れを歩きながら談笑する隊長陣、その中にいたフェイトに向けられた。 バージルにつられて視線を移したエリオとキャロは不思議そうな顔をしてバージルの言葉の真意を測りかねた。 フェイトが母親代わりという事と自然保護隊への移動を否定される話が繋がらない。 バージルはフェイトに視線を向けたまま小さい声でエリオとキャロに語りかける。 「家族で共に過ごせる時間………決して無限ではない、せめてもう少し一緒に過ごしてやれ」 それは過去に家族を、母を突然に奪われたバージルだから言える言葉だった。 小さな声の中にも万感の想いの込められたバージルの言葉にエリオとキャロは彼の不器用なその優しさに胸を打たれる。 「その…はい!」 「分かりました!」 エリオとキャロの事を案じるバージルの言葉に二人は元気よく答える。 その様子を見ていたティアナも亡き家族を思い少し物思いにふける、彼女の横ではスバルが感動的な場面に鼻水まで出して泣いている。 「ぐすっ…うんうん、やっぱり家族は一緒が一番だよ。ずずっ(鼻をすする音)ティア~ハンカチかティッシュ頂戴~」 「まったくアンタって子は…はい」 「ありがと。ち~~ん」 スバルはティアナから貰ったティッシュで思いっきり鼻をかむ(年頃の女の子なんだからもうちょっと上品にしなさい…)そしてバージルにおもむろに話を移した。 「そういえばバージルさんは六課が解散したらどうするんですか?」 「まだ具体的には決めていないが…」 バージルがそこまで言うとスバルはまるで子犬のように目をキラキラさせてバージルの手を掴むとブンブン上下に振る。 「それならそれなら~是非とも私と一緒に災害救助隊に来てくださいよ~!!」 「いや、俺はな…」 「ちょっとスバル! 何を勝手なこと言ってんのよ!! えっと…それならバージルさん…その…私と一緒に…フェイトさんの執務官補佐とかどうですか?」 スバルの強引な勧誘を受けるバージルにティアナが顔を少し赤らめながらそんな事を言った。 「ティアずるいよ~そんなツンデレモードで言ったらポイント高いじゃん」 「何よツンデレって!? 私はバージルさんの事を考えて言ってるのよ!」 「それなら僕達と新しい配属先を探しませんか?」 「待ってエリオ君。バージルさんはまだ嘱託契約の魔道師だからその前に正式に局入りの準備をしないと!」 「そうだね。それじゃあ最短コースで武装局員の士官学校に入って…」 「そんなのダメ~お兄ちゃんは絶対に救助隊~。救助隊向けのレスキュー隊員要請コースに行って私と一緒~」 「バカスバル!! あんたはまたそんな呼び方して…ワガママ言ってんじゃないわよ!!」 「いいじゃん、別にバージルさんは嫌がってないんだし~。ですよね? バージルさん」 「その呼び方は断る」 「あう~バージルさんもイジワルだよ~」 そんなバージル達の下に小さな影が駆け寄って来た。 「おに~ちゃ~ん」 そう言いながらヴィヴィオがバージルの下に駆け寄りバージルに思いっきり抱きついた。 「なんだヴィヴィオ?」 バージルは抱きついて来たヴィヴィオの頭を優しく撫でて聞き返す。 「ヴィヴィオずるい! 私もバージルさんをお兄ちゃんって呼びたい~ナデナデして欲しい~」 「こんのバカスバル!! ちょっとは自重しなさい!!!」 この日もまたティアナの見事な突っ込みがスバルの脳天に決まった。 とりあえずスバルとティアナのドツキ漫才を華麗にスルーしたバージルはヴィヴィオに話を戻した。 「それでどうしたヴィヴィオ?」 「なのはママがみんなをよんでたの」 「高町が? そういえば訓練場に来いと言っていたな。では行くぞお前達」 「「「「はい!」」」」 バージルの言葉にフォワードメンバーは元気よく答える。 訓練場に来たバージル達はそこに咲き乱れる桜吹雪の見事な花弁の雨に目を奪われた。 「見事な桜だな…」 舞い散る桜吹雪にバージルは思わず感嘆の言葉を漏らし、フォワードメンバーもまたその美しい情景に息を飲む。 「卒業式に桜はつきもんやろ~。よ~来たね皆、ささこっちに来てや~」 そこにははやてを含む隊長陣にギンガを加えた6人が待っていた。 「なのはママ~」 ヴィヴィオはなのを確認するとバージルの下から勢いよく駆け出して彼女に抱きついた。 バージルはなのはに抱かれるヴィヴィオを優しく見守りそっと微笑を投げた、その彼にシグナムが声をかける。 「遅いぞバージル」 はやてやなのは達の下にフォワードメンバーが集まり、自然バージルとシグナムは二人きりになった。 桜舞う中でバージルは静かに口を開き、シグナムに問いかけた。 「シグナム……一つ聞きたい」 「なんだ?」 「俺はあの娘に…ヴィヴィオに兄になると言った…」 「らしいな」 「だが血の繋がらぬ…そのうえ半魔のこの俺に…本当にそんな資格があるのか……」 バージルのそんな言葉にシグナムは彼の瞳を真っ直ぐに見つめながら、間を置かずに答えた。 「あるさ」 「随分と簡単に言うのだな」 「ああ………私も今の家族とは血の繋がりはないからな」 「そうなのか?」 「ああそうだ。なあバージル、私はこう思う……」 シグナムは言葉を紡ぎながらフォワードメンバーと話していたはやてやヴィータを一瞥し、その視線をまたバージルに向けて言葉を続けた。 「…きっと家族であることに血の繋がりは関係ない。相手を想う心があれば家族になるのは簡単な事だ」 「………そうか」 「とにかく。そろそろ皆の所に行くぞ!」 シグナムはそう言うとバージルの手を引いて隊長陣やフォワードメンバーの下に向かって歩き出した。 「分かった、だからあまり引っ張るな…」 バージルは困ったように言葉を漏らすがその表情はひどく柔らかいものだった。 「それじゃあフォワード一同整列!!」 フォワードメンバーはヴィータの言葉に一列に並び、なのはとヴィータから今までの成長を褒める言葉を投げかけられる。 「あたしはこの1年間褒めたことなかったが、まあお前ら随分強くなった…」 「…みんな本当に強くなった…もう立派なストライカーだよ」 そんな4人を褒めるなのはとヴィータの言葉におもむろにバージルが口を開いた。 「まったく甘すぎだぞ高町、鉄槌……こいつらはまだ不完全な部分が多すぎる…」 基本的にフォワードメンバーに対してはどの隊長陣より厳しいバージルである、なのは達の賞賛の言葉に口を挟むのかと思われた、だが彼の口から出てきたのは意外な言葉だった。 「だが先の戦いで強大な悪魔を打倒し、その力を調伏した腕前……見事なものだった」 「バージルさん…」 「バージル…お前」 なのはとヴィータはバージルのその言葉に思わず声を漏らす、そして成長した4人にバージルは最高の賞賛と笑顔を見せた。 「胸を張り誇りとしろ、お前達は強い。もはや俺から教えることは何一つ無い!!」 「「「「はい!!」」」」 そのバージルの言葉に込められた想いにフォワードメンバーは涙を堪えて元気よく返した。 「それじゃあ始めようか」 なのははそう言うと何故かデバイスを取り出し、隊長陣も同じくデバイスを取り出し構えた。 「ふえっ?」 その隊長陣の様子にスバルがマヌケな声を上げる、そしてなのははデバイスを構えながら口を開いた。 「全力全開! 機動六課の最後の模擬戦!!」 「リミッターも外れたしな、お前らも相棒持って来たろ?」 ヴィータの言葉に驚愕の覚ましたフォワードメンバーは笑みと共に自身に宿った悪魔の力を解放した。 「行くよマッハキャリバー、ベッキー!!」 「クロスミラージュ、アフターイメージ(影の分身)最初っから飛ばして行くわよ!!」 「ストラーダ、クイックシルバーの時間加速、最高速度で使うよ!!」 「フリード、ケルベロスと融合して行くよ。凍結能力完全解放!!」 白き破壊の魔獣と融合した鉄の拳を持つスバル、意のままに動く影の分身を得たティアナ、加速する時を駆ける高速の槍騎士エリオ、氷結の獄犬と融合し三つ首の氷竜となったフリードを従えるキャロ。 悪魔の力を得た4人の力はもはや隊長陣に脅威を感じさせる程に強大なものへと変わっていた。 「にゃはは…さすがにこれは凄いね」 「まったく…これ反則じゃねえのか?」 「そんな事無いです! 隊長達とは魔力量も戦闘経験も桁が違うんですから!!」 4人の力に呆れるなのはとヴィータにスバルが慌てて反論を入れる、そしてスバルはその視線をバージルに移して話しかけた。 「そうだバージルさん! こっちに来てくださいよ~♪ バージルさんも加わってくれたら絶対勝てますから!!」 スバルは六課最強(機動六課内裏ランキング byシャーリー)のバージルにすかさず勧誘をかけたのだ、その早業は勧誘王と呼ばれたはやても舌を巻くほどだった。 「いや、俺はこちらに付かせてもらおう…」 だがバージルはそう言うと隊長陣の側に立ちフォワードメンバーを一瞥して渇を入れた。 「その悪魔の力、この俺に見せてみろ! 今日は本気で行くぞ!!」 そのバージルの言葉にスバル達はガクガク震えて怯えだす。 「ほ、ほ、ほ、ほ、ほ、本気で戦うんですかああああ!?」 「死ぬ…今日は絶対死ぬ…」 スバルとティアナはもう涙ぐんでいる、本気を出すと言った闇の剣士の戦意に“ストライカーも泣き出す”。 「キャロは僕の後ろに隠れて! キャロが逃げる時間は稼ぐから!!」 「そんな…エリオ君だけ残して逃げられないよ!! そ、それに死ぬなら一緒だから…」 「…キャロ」 「…エリオ君」 フォワードメンバーはもう死ぬ覚悟になっていた、そんな所に気さくな声で銀髪の悪魔狩人が現れる。 「おいおいバージル、子供相手に大人気無えんじゃねえか?」 何故か六課制服を着た(ネクタイ無しでYシャツボタン開けまくり)ダンテがやって来たのだ。 「帰った筈のお前が何故ここにいる? 店はどうした? というかその服はなんだ?」 「それがまだ店の修理は終わってなくってな、今は閉店休業中さ。それに悪魔退治の仕事は同業者の女に取られちまってトマトジュースを買う金も無いと来た。 それをはやてに言ったら“ピザくらいご馳走する”って言うから遊びに来たんだよ。 あとこの服ははやてが“着てみろ”って言うから着てみた」 「そうか。しかしダンテ……お前そんな営業方針でちゃんと仕事になるのか?」 「まあなんとかするさ。ところでまだ店の名前を決めてねえんだけど、なんか良いアイディア無いか?」 そんな兄弟のやりとりを見ながらはやては満足そうな顔をして呟いた。 「やっぱイケメンは何着てもええな~」 その時スバルが満面の笑顔でダンテに擦り寄ってその腕を思い切り掴んだ(ちなみに、ベオウルフと融合して尖った指先が食い込んでかなり痛かったりした)。 「ダンテさん! ダンテさん!! こっちのチームに入って下さい!! 向こうにバージルさんが入って蝶ずるいんです!!」 「いててっ……随分と強引な嬢ちゃんだな。まあ良いぜ。それじゃあ久しぶりに兄弟で遊ぶかバージル?」 「いいだろう。しかしお前の武器は非殺傷設定に出来るのか?」 ダンテの二丁銃と魔剣は非殺傷設定なんて便利なものはない、しかしダンテは意外な答えを返す。 「ああ、それならさっきメガネの嬢ちゃんに専用弾とデバイスとか言うの貰ってよ。それにこっちの魔法とかもはやてに聞いたら大概の基本は覚えたぜ?」 「そうか、しかし随分と用意が良いな。八神お前まさか……」 「その“まさか”や~!! さあダンテさん管理局入って~な♪」 「それじゃあこの試合で勝ったら考えてやるぜはやて」 「よっしゃああ!! この模擬戦は絶対に負けれへんでええええ!! イケメンゲット作戦第二段や!!」 「にゃはは…その話からするとバージルさんの勧誘は第一弾なのかな…」 「その通りや! さあみんなフォーメーション組んで行くで~。一切の抵抗を許さず鏖殺したるんやああ!!」 「はやて今日は絶好調だね…っていうかダメだよ鏖殺は……」 もう止まれないくらいの勢いでハイテンションになっているはやてに、なのはとフェイトが呆れた風に口を開いた。 バージルもそんな盛り上がる六課メンバーの様子に呆れた顔する。 「まったく、これではまるで宴だ」 「いいではないか。最後くらい賑やかな方が楽しいだろう?」 バージルの横に並んだシグナムが随分と楽しそうな顔で語りかけてきた。そのシグナムにバージルは苦笑して返す。 「そうだな……それも悪くは無い」 そんな二人を見たはやてがさらにハイテンションで天元突破した。 「くうおらああああ!! そこは何をイチャついとるんやあああああ!!! っていうかシグナム距離近い!!! バージルさんと一番フラグを立てとるのは私なんやから勝手に手を出したらあかんのやあああ!!!!(はやて主観)」 はやてはそう絶叫すると、突然何か悪巧みを考えた時の黒~い笑みを見せてさらにこう続けた。 「ええ事思いついたで~。こうなったら模擬戦の内容変更! タッグバトルロイヤルで優勝したらなんでも部隊長特権で叶えたるで~!! っという訳でなのはちゃんタッグ組んで~♪ 即効最強砲撃で全員撃沈して優勝! そして正式に美形兄弟は私のモンに…ぐふふっ」 はやてが嫌~な笑顔をなのはに向けた時には既に全員のタッグチームは完成していた。 以下タッグチーム。 スバル&ティアナ、エリオ&キャロ、なのは&フェイト、ヴィータ&ダンテ、シグナム&バージル、はやては自然と残ったギンガと組む事となる。 「なんて事やあああ!! 一番しょぼそうなタッグ相手やあああ!!!!」 「ちょっ! それヒドイですよはやてさん!!」 ギンガがはやてのぶっちゃけトークに嘆くなかで、各タッグチームはそれぞれに戦意を燃やす。 「よし! ティアがんばって優勝しよう!! そしてバージルさんは私のお兄ちゃんに!」 「あんたって子は……まったく」 「がんばろうねキャロ」 「うん」 「フェイトちゃんは優勝したらどんなお願いする?」 「そうだな~。それじゃあバージルさんにヴィヴィオの事をよろしく頼もうかな?」 「にゃはは、それはお願いしなくても大丈夫だよ」 「だね」 「よろしく頼むぜ小っちゃな嬢ちゃん」 「誰が小っちゃいだ! まったく本当にお前バージルの兄弟なのか?」 「まあな。でも俺の方が二枚目だろ?」 「付き合ってらんねえな…」 「なんか他のタッグチームの方がキャラ立っとる。これはもう勝てへんな~」 「私ってそんなにキャラ弱いですか……天国のお母さん、それでもギンガは負けません!」 まるで愉快なパーティーのように姦しく騒ぐ六課メンバーとダンテを見てバージルは微笑を浮かべて呆れ返る。 「まったく本当に騒がしい……」 そんなバージルに彼の横に立っていたシグナムが笑顔で返す。 「確かにな…まあダンテではないが、ダンスパーティーと言うのも悪くないだろう? それとも私がダンスの相手では不足か?」 「お前以上のパートナーはいないだろうな………ではシグナム、俺とお前の剣舞を存分に見せてやるとするか!」 「みんながんばれ~」 ヴィヴィオがそう言うと同時に、ひどく愉快で騒がしい最高のダンスパーティーが始まる。 その楽しき舞踏に魔剣士と烈火の将は肩を並べて笑い合っていた。 Epilogue 「Crazy Wedding」 機動六課が解散してしばらく時が経ったある日、聖王教会本部にある小さな礼拝堂。 そこである男女の婚礼の儀つまり俗に言う結婚式が執り行われていた。 少年は着慣れないタキシードを着込み、少女もまた着慣れないドレスに身を包んでいた。 「キャロ、ドレスよく似合ってるよ」 「そうかな……そう言うエリオ君もタキシード似合ってる、カッコイイよ」 「えっと…ありがと」 互いに顔を赤くしながらそんな会話をするのは、六課解散時よりほんの少し成長したエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエであった。 元六課隊長3人なのは・フェイト・はやてそしてヴィヴィオは同じテーブルに座り。この祝いの式を楽しんでいた。 「まさか“あの二人”が結婚するとはね~」 「以外だったよね」 ドレスを着たなのはとフェイトが新郎新婦について語るそして同席していたはやてはひたすら酒を喰らっていた。 「先越された~先越されたで~ウイ~ヒック。なんでこの超美少女に彼氏の一人もおらんっちゅうねん~」 「うわっ…はやてちゃんもう出来上がってるよ」 「ははは(最高に乾いた笑い)…まあはやてらしいよね」 「でも“あの二人”っていつから付き合ってたのかな? フェイトちゃんは知らない?」 「私も詳しくは知らないんだ。でも結構デートとかしてたみたいだよ」 「そうなんだ」 「ウイ~それだけやないで~ヒック」 完全に酔っ払い親父と化したはやてがグラス片手になのはとフェイトの会話に割って入った。 「“あの二人”結構お泊りとかしとったんやで~。エロエロや~“あの二人は”エロエロ妖怪や~」 「なのはママ、エロエロってなに?」 「まあ…その…ヴィヴィオは知らなくて良い事だよ。はやてちゃんお酒はもうそのくらいで…」 「うるさいわ~これが飲まずにいられるか~」 はやてがそんなバカ騒ぎをしている中、ふとフェイトは祭壇の前の新郎新婦に目を移した。 「でも……確かに幸せそうで妬けちゃうね。ちょっと羨ましいかな」 「うん、“二人”とも凄くお似合いだよ」 「ヴィヴィオもけっこんしたい~♪」 「確かにな~やっぱ祝ったらんとな~ひがんでる場合とちゃうわ」 「その通りだよはやてちゃん。でも…」 なのはは視線をまた祭壇の新婦に向けて呟いた。 「……本当に綺麗だね“シグナムさん“」 教会礼拝堂の祭壇の前に男、バージルは立つ。 いつもは軽くかき上げた銀髪を整髪料でオールバックにして整え、婚礼用の白いタキシードに身を包んでいる。 管理局制服やいつもの青いコートも似合うバージルだが、その白いタキシードを着た姿は一段と凛々しく。 どこぞの王族や貴族であると言われても誰もが否定できぬ程に威厳と気品に満ちた眩しさを放っていた。 そんなバージルの顔はいつも通りの端正な表情だが、付き合いの長い人間ならば彼がそれなりに緊張していると分かるだろう。 常に冷静なバージルもこの日ばかりは身体に走る緊張を抑えるのに必死だった。 そのバージルの目の前に対するように女、シグナムは立つ。 常の彼女を知る者にその姿が信じられようか。 シグナムはいつもポニーテールに纏めていた髪をストレートに下ろし、花嫁にのみ着用を許された純白の衣装ウエディングドレスに身を包んでいる。 そして緊張と不安と恥じらいそして何より喜びにその頬を朱に染めていた。 ヴェール越しに見えるその顔は儚さすら感じる程の美しさである。 花嫁をよく天使に例えるがシグナムにその表現は似合わないだろう、恥じらいの中にも気品を持つ彼女の姿はむしろ女神とすら呼べるものだった。 そしてその二人が今、教会司祭の言葉と共にそっと唇を交わそうとした……… その刹那、突然礼拝堂のステンドグラスが砕け散り異形の怪物が飛び込んで来た。 「ぐはははっ! やっと見つけたぞスパーダの息子! 俺は魔界108大悪魔の一人グロンギ! 今日こそ貴様の命を頂くぞ!!」 その悪魔はご丁寧に人語で語ると周囲に部下の下級悪魔を大量に呼び出す。 普通の人間なら怯え逃げ惑うところだろうだがその悪魔の襲撃に式に参列していた元機動六課組や管理局員の反応は早かった。 「ベッキー全力全壊で行くよ」 「影の分身の力、たっぷり味合わせてやるわ」 「クイックシルバー発動!」 「ケルベロス融合!! フリード、全力で行くよ!!」 機動六課元フォワードメンバーが以前よりさらに力を増したその悪魔の力を解放、さらに隊長陣も負けじとデバイスを起動した。 「出番の無かったウサをここで晴らす!! 行くよレイジングハート!!」 「それじゃあ私も。バルディッシュ、プラズマザンバー最高出力で行くよ!!」 「何か知らんけど。とにかく大暴れや~。リィン、融合して行くで~」 「まあ、みんなホドホドにな…やるかアイゼン」 元機動六課のメンバーはシャマルやヴァイスを含めた人間まで殺る気マンマンで全力全壊の戦闘体制を準備している。 さらに礼拝堂のドアを蹴破って新郎と同じ顔の銀髪に赤いコートを着た悪魔狩人が銃やロケットランチャーを持った金髪やら黒髪の美女を引き連れて現れた。 「こりゃまた派手な結婚式じゃねえか。悪魔にも招待状送ったのかいバージル?」 「タダで悪魔狩りなんて気が進まないけど。せっかくの祝いの席なんだし派手に行くわよダンテ」 「それはいいわねえ、それじゃあ私もちょっと本気で殺ろうかしら?」 「ノリノリじゃねえかレディ、トリッシュ。それじゃあ楽しいウェディングパーティーと行こぜ Let s party!!!!」 その様子にバージルはヤレヤレといった具合にこめかみを押さえて溜息を吐く。 「ふうっ。まったく、どうして最後まで静かに終われんのだ…」 溜息まじりのバージルの言葉にシグナムは不敵な笑みを浮かべながら返した。 「せっかく魔界から来たのだ。せいぜい歓迎してやろう」 「そうだな。祝儀の代わりは命で払ってもらおうか」 そのバージルとシグナムの下に融合機アギトが二人の得物を持って飛んできた。 「シグナム~、バージルの旦那~。受け取りな」 バージルとシグナムはアギトの言葉と共に投げ渡された閻魔刀とレヴァンティンの刃を即座に翻し悪魔達に向けた。 「時間が惜しい、10分で終わらせるぞ」 「10分? 1分の間違いだろう?」 その言葉にバージルとシグナムは顔を見合わせると互いに苦笑した。 そして二人は炎の魔剣レヴァンティンと魔を喰らう妖刀閻魔刀の双刃と共に剣舞を舞い始めた。 これは伝説の序章、後に数多の次元世界で語り継がれる英雄の物語。 家族を失った悲劇に心を闇に堕とした魔剣士は魔道の栄し世界へと下り立ち、夜天の王とその仲間達に出会った。 烈火の将の熱き心と無垢なる少女の慟哭に優しき人の心を取り戻した魔剣士は将を生涯の伴侶として永く人々の為その剣を振るったという。 人々は彼をこう呼び称え敬った“伝説の魔剣士バージル”と。 終幕。 前へ 目次へ
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